令和2年7月3日夜から4日昼の豪雨によって、熊本県を流れる球磨川水系が、八代市、芦北町、球磨村、人吉市、相良村の計13箇所で氾濫・決壊し、広範囲で浸水被害をもたらしました。
このときの浸水の状況を「浸水推定図」として国土地理院が公開しています。
【7月3日からの大雨に関する関連】#国土地理院 は本日、7月4日10時までに収集したSNS画像と標高データを用いて、浸水範囲における水深を算出して深さを濃淡で表現した「浸水推定図」時点版を公表。
詳しくはこちら→https://t.co/WtNs3ZeRlK pic.twitter.com/ARruR5Bted— 国土地理院 (@GSI_chiriin) July 4, 2020
QGISで地理院タイルを読み込む
このような浸水推定図が「タイル画像」としても公開されています。
データがタイル画像で配信されることによって、PCがインターネットにつながっていればQGISで簡単に読み込むことが可能です。
QGISで地理院タイルを読み込むにはブラウザパネルの[XYZ Tiles]を右クリックして「新しい接続」を選択します。

そうすると[XYZ接続]というダイアログウィンドウが立ち上がるので、「URL」欄にタイル画像のURL、「名前欄」にわかりやすい名称を記載し「OK」をクリックします。

このときの「URL」は、地理院タイルのサイトに記載されているURLです。タイル画像のURLは、末尾が「{z}/{x}/{y}.png(jpg)」となっています。

ブラウザパネルの[XYZ Tiles]のプルダウンメニューに先ほど入力したタイルが追加されているので、これを右クリックして「レイヤをプロジェクトに追加する」を選択すると地図にタイル画像が追加されます。

背景図として航空写真の地理院タイルを表示した上に、今回の「浸水推定図」を読み込むと下図のようになります。

QGIS応用編
レイヤ「浸水推定図」のプロパティで透過率を設定すれば、背景を透過して見ることができます。


ここに、国土数値情報の「避難施設」をダウンロードして重ねてみます。
国土数値情報はhttps://nlftp.mlit.go.jp/ksj/からダウンロードできます。避難所の他にも様々なデータが用意されています。

下図のように避難所のポイントデータを地図に追加すると、浸水してしまった避難所が一目でわかるようになりました。
※避難所データは作成年度がH24年度と若干古いので注意が必要です。

地理院タイルのような配信画像データを利用することで、自らデータを用意することなく、有用な地図データにアクセスできるようになります。
(式)